「ねぇ お父ちゃん、今年もいよいよ今日でオシマイだね。 いつも思うケド、一年ってホントあっという間だよね・・・! ・・あ。そぉいえば、お母ちゃんが台所でなんだか見たこともないような料理をハリキッテ作ってたケド・・・ ・・なにやってたのかなぁ・・・?」
「・・・ぁあ アレか・・・ イヤなんでも・・母さんの故郷の伝統料理 カレーおせちを作るんだとかって言ってハリキッテたなぁ・・・ 。」
「・・カレー・・ おせち・・ってナニソレ・・? ボクそんなの聞いたコトないょ・・! お正月ぐらいカレー以外のもの食べれると思ってワクワクしてたのに・・!! ・・そんなのひどいょ!! なぜそんなにカレーにこだわるの・・!? ねぇ!お父ちゃん・・!! お母ちゃんを止めてょ!!
お正月ぐらいカレーはやめてって言ってょ・・・!!!」
「・・・坊や。 ・・もう手遅れなんだ・・ ああなってしまった母さんを止めることは出来ないのだょ・・ 。 もしなにか言おうものなら・・ 家中がとりかえしのつかない空気に包まれることになるだろぅ・・ 。 ・・坊や。アレに耐えられるかぃ・・・?」
「・・アレは・・ ツライょね・・ ムリムリ・・。 耐えられないょ・・ アレは・・。」
父子「・・・ハァ・・・」
・・・時を同じくして・・・
「・・アンタ! 今日は大晦日なんだからゴロゴロしてないで大掃除手伝いなぁ!! このぐうたら亭主!!」
「・・おぉ! 言ってくれるじゃねぇか!! 大晦日ぐれぇ一家の主に労いの言葉の一つも言えねぇのかよ!! このオカメトンチキが!!!」
「・・オカメトンチキ・・ ・・ってアンタ!! ここにあったビールの詰め合わせドコにやったんだい!! ぇえ!!」
「ぉおアレか・・。 イヤこないだ麻雀仲間のゲンさん達と話が盛り上がっちまってよぉ!! ついつい朝までなぁ・・! イヤイヤごっそさん!!」
「・・ごっそさん・・ってアンタ・・!! ・・あのビールは・・家賃を滞納しがちな我が家を、いつも寛大な心で許してくれる大家さんにって用意しといた物なんだよ!! ・・・それをアンタってヒトは・・!! よりによって住所不定無職のゲンさん達に振る舞うなんて・・ ・・ウゥう・・」
「泣ぁ~くんじゃねぇよ・・ったく。 これだから女はよぉ・・ んなもんパチンコでチャチャっと一儲けして買ってきたらぁ! ・・あ。そぉいや昨日から狙ってた台があったんだ! んじゃ、ちょっくといってくらぁ! アハハハ~」
「・・ちょッ・・!! ・・まさかアンタ・・ またアタシのサイフから・・!!! ・・・ちょっと待ちなぁ!!!
」
「アハハハハ~」
「待ぁあちなぁぁぁあぁァ!!!」
「・・お父ちゃん。 あのオジちゃんとオバちゃんまた走っているね・・。」
「・・うん・・ ・・また・・ 走っているなァ・・。 師走だもんなァ。」
「なんかボク・・ カレーおせちの悩みなんかどぅでもよくなってきたよ! さァ、お父ちゃん!お家に帰ろう~!」
「・・そぅだな。 カレー食べに帰るかァ!」
父子「アハハハハ~」
それでは皆様よいお年を。 by HISAO